5月の初旬に、茨城へ知人がお世話する田んぼの草取りを手伝いに出掛けた時には、車窓から見える、青々とした穂を風に揺らす麦畑に目を奪われました。
そして今日は、近所の池まですいれんを乗せてドライブ道中、黄金色にたちこめる霧のような麦畑に出会いました。麦秋、学生の頃、銀座の「並木座」で観た小津安次郎の『麦秋』(『晩春』と同じくらい好きな作品)で、それが夏の季語であり麦畑が初夏に収穫期を迎えことを知りました。
またまた、ほんものの麦秋を間近に見たのははじめての事。まったく、これまでどんな生活をしていたのかと自分自身でも思うのですが、育児休業を得てから景色が目に入ってくるようになったのでしょうか。仕事&都会暮らし&想像癖のせいで、活字で「識っている」気分のコトが多かったのかもしれません。想像も、実世界も、自由自在でありたいものです。
とはいえ、実世界で五感を通じて体験する印象は、また格別なものであります。雑木林や住宅街の合間に、黄金色にたちこめる霧・・・いよいよ梅雨入り、夏の到来ですね。(写真をアップできずすみません。)