engawa
こどもの視線や息づかいが加わって12年目。
母として、ひとりのひととして、そこに在ることをいかに見出すかによって環境や認識が、自分自身とあなた・それとの在りようが変化する。その在りように、どう向かいあいましょう。
アート&デザインwithサイエンスの日々と活動をお知らせするメモ。

暖かい新聞紙の様なノートを縁側に敷きました。旅するみなさま、しばし腰を降ろしていってくださいまし。


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12. サラエボ・霧の街
バルカン半島、そしてサラエボで私が思い浮かべるのは、「ユリシーズの瞳」(1996年/テオ・アンゲロプロス監督)。ハーベイ・カイテル演じる映画監督Aが最後に出会う女性を永遠に失うのは濃霧の中。冬のサラエボは霧に沈む街だと想像していたのでした。実際には好天候に恵まれ、連日すっきりとした青空。ベオグラードやザグレブに比較すると湿気の多い大気のせいで、午後になるとうっすら曇ってくる日も多かったのですが、あの映画のシーンは「映画」だったのかしらん・・・と思い始めていました。
ところが、思いがけなく感動的なことが。1992年6月、セルビア系勢力によって砲撃された「オスロボジェニ新聞社」を見に行こうと乗ったトラムは、そのまま濃霧の中へ突入したのでした。
「オスロボジェニ新聞社」は砲撃を受けたあとも、地下の核シェルターの中にある印刷所でほぼ毎日新聞の発行を続けたそう。夜間のみ放送を続けた「ラジオ・サラエボ」と共に、包囲されている間、市民に情報を伝え続け、記者自身も新聞を売ったと聞くと、何故か身震いがする。そのリベラルさというのか報道人の熱意、今のサラエボではどうなのだろう。その「オスロボジェニ新聞社」は修復もすんで立派な社屋には戦火の跡は見えませんでした。隣接した老人ホーム施設はいまだに放置されている様子でしたが・・・。
新聞社の横をかすめるトラムに乗って、終点へ。
1m先も見えない濃霧。まさに白い気体にとっぷりつかっている気分でした。写真には写っていますが、実際にはもっと真っ白い世界に、影が動いている状態でした。割合と日常的な風景のようで、バスステーションや街路には何かに導かれているようにスタスタと人が大勢往来しているのがうっすら見えたのでした。こんな視界の中に銃声と命乞いをする声が聞こえた・・・。またしても、何もなかったような街行く人を見て、あってはならないと思いながら、歴史は繰り返される理由はそう簡単にはDNAから消すことはできないのじゃないかと感じたのでした。フィルムは、そんな記憶喪失する脳を静かに刺激してくれる。
Phot:白い気体に沈むひとびと
12.  サラエボ・霧の街_d0020310_2257319.jpg
by book-tokyo | 2006-03-18 22:57 |
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