3.BEG〜昼間の街2
さてさて、目抜き通りミハイロヴァ通りに面して画廊がいくつかあり、裏通りに入ると小さなギャラリーがぽつぽつと。ペインティングが多く、全体的には保守的な印象。ただ、老若男女が画廊を出入りしてる様子を見ていると、「絵を観る」という文化は、東京の銀座より以上に日常的なのかしら・・・そんな風に感じました。
ただ、度重なる戦争の元となる民族のせめぎ合いは、美術表現にも大きな影響を落としているだろうと思われ、わたしたちが観た絵の多くも、「歴史を読む・記憶する」ための表現が多いように感じました。輝くような美しい大河やベオグラード(白い街)の名の通り白く霞む大気に包まれた自然より以上に宗教や民族といった人間に引き寄せられた葛藤や矛盾が、表現の原動力となっているだろうと思われますが、短い滞在期間では、それ以上踏み込んだところへはたどり着けませんでした。1999年から数度NATO軍によって空爆されたユーゴスラビア連邦国防省・軍参謀本部ビルは、まったくそのまま。簡単な囲いの前の通りは、綺麗に舗装するのか工事中で、たくさんの人が行き交っていました。
Phot:空爆されたユーゴスラビア連邦国防省・軍参謀本部ビル