ayako tsuboya blog
by book-tokyo
engawa
こどもの視線や息づかいが加わって15年目。
母として、ひとりのひととして、そこに在ることをいかに見出すかによって環境や認識が、自分自身とあなた・それとの在りようが変化する。その在りように、どう向かいあいましょう。
アート&デザイン with サイエンスの日々と活動をお知らせするメモ。
創りたい、みてみたい世界への試行錯誤の追記を再開します。(2023)

暖かい新聞紙の様なノートを縁側に敷きました。旅するみなさま、しばし腰を降ろしていってくださいまし。

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雪とほのう
神宿るような、力強い炎を見てきました。
えっちらこっちら自家用車で東京を出発、日本のエーゲ海(笑)と称されている岡山・牛窓の宿で牡蛎のリゾット(もちろん地産地消&自炊)を堪能し、ずんずんと山陰へ・・・。奥出雲でパートナー(S氏)の勉強にくっついて日刀保(日本刀剣保存協会)の「たたら」での作業を見学する機会を得ました。「たたら」は、日本古来の製鉄法。
日立金属の解説によれば、「たたら」ということばは「ふいご」の意味を持ち、転じてふいごで吹く鉄を精錬する炉を呼ぶようになったそうです。宮崎駿さんの「もののけ姫」でご存じの方もあるかもしれませんが、日本書紀に登場する姫の名前に「たたら」というものがあり、さらにそれは出雲の神の姫だそうです。現在の山陰奥出雲「たたら」製鉄にも関連がありそうで、驚きます。(ちなみに古代インド語のサンスクリット語でタータラは熱の意味だそうです。)
許可書(ものものしい)を発行されていたのはS氏ひとりだったのにも関わらず、雪の中、窓から炎を眺めてワクワク、うろうろしているすいれんと私も、特別にたたらの中に入場させていただくことができました。(ありがとうございました。)ラッキー。
今回見せていただいたたたらは、高い天井に換気の窓が開けられた大きな薄暗い小屋で、中央に土を持った炉があり、片側から今は電気式のふいごで空気を送る仕組みになっていました。規則的に「ふ〜」とうなるふいごの音、送り込まれた空気によって大きくなる炎と相まって、まるで火を吹く生き物が横たわっているような様相。ほとんど素手に近い製鉄の職人さんが真砂砂鉄と炭を炉に投入してゆく様は、ほんとうに神秘的でした。「たまはがね」は砂鉄13トンから1トン程度しか作れないそうです。この「たまはがね」をつくる製鉄法は「ケラ押し」といって操業開始から終了まで三昼夜、約70時間かかるそうです。今では刀剣の需要も少なったので、主に伝統的な製鉄法を保存するため年に数回操業されているとのことで、貴重な機会でした。
待合の事務室は、ミネソタ大学の美術学/鋳物彫刻家でもある教授が取材を受けていたり(すいれんと遊んでくれたおじさんが、実はそうだったと後で知りました)、研究者らしき人たちが立ち話していたり・・・みなさん静かに興奮している様子が伝わってきて不思議な世界。
それにしても、ふきあがる炎は、まさに不動明王の火炎の光背の様に複雑なかたちをしていて、その動きにみとれてしまいました。そして、天窓から吹き込む粉雪と熱気が激しく踊っていて、幻想的な光景として網膜に焼き付いています。すいれんは、激しい炎を怖がることもなく、驚いた表情で眺めていました。大人以上に熱くまぶしかったのか、20分くらい経つと見学に来ていた日立金属の方々のヘルメットを「何なんだ〜」と気にしだしたので中途退座(笑)あとは雪遊びをたっぷり堪能いたしました。
雪とほのう_d0020310_1124998.jpg

by book-tokyo | 2010-02-04 04:45 |
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